2018年、早くも6月突入です。
あまりの時間の経過の早さに、追いついていけているか正直不安です。
来週には梅雨入りだそうで。今年はどうでしょう。
アツい夏への期待と夏バテへの不安でのドキドキが止まりません、中村です。
今回は6月におすすめさせて頂くグラスワインの一つをご紹介。
“5”です。世界中誰が読んでも“5”です。
でも、数字ひとつでもいろんな意味合いがあると思うんです。
このワインを造っているのはGiovanna Morganti女史。
トスカーナ州のワイン名醸地、キャンティ地区最南端のカステルヌォーヴォベラルデンガにて、極めて自然の流れに添った形で、サンジョヴェーゼ種を主軸にブドウ栽培、ワイン造りを行う生産者さんです。
彼女のフラッグシップワインは、レ トラーメという元キャンティクラッシコ。
元というのも、自分の理想の味わいを追求するが故に、とあるブランド名と化してしまったキャンティクラッシコの名は、
現在名乗っていません。完璧主義なのです。
そして今回ご紹介する“5”(イタリア語では5=チンクエ、それがワイン名です)は、レ トラーメと同じように畑で収穫され、発酵させたけれどもGiovannaが選定の段階で、合格でない状態とみなされた、ぎりぎり合格点には至らなかったセカンドワインです。完璧主義なのです。
イタリアでは10段階評価なので、“5”は落第点。(C~D判定くらい)という冗談交じりのネーミング。
その他にも家の住所が”5”番地だったり、基本ブドウ品種が“5”種のブレンドだったり、ブドウの葉が“5”枚葉だったり。。。
ラベルに力強く描かれた、サンジョヴェーゼ種の特徴を捉えた朱い“5”の文字にはマイナスの要素は感じません。
むしろ、自身の特級のワイン「レ トラーメ」をより高めるためのこだわりや熱量を感じずにはいられません。
気になるワインの考察です。
香りは赤黒い良く熟した果実の香り、口に含むと少し野性味を帯びた「血液」を思わせるエキス分がじわじわ広がります。
サンジョヴェーゼ種の語源は「Sangue」=「血」です。こんなダイレクトでピュアなサンジョヴェーゼ、他にはありません。
しっかりと凝縮感がありながら、飲み心地が良いのは、健全なブドウしか使われていないから。
セカンドワインと侮るなかれ、とっても上質な味わいです。
トスカーナ州のこだわりの生産者のワインを飲むと、焼いたお肉が欲しくなる味わいのモノが多くあります。
今回の“5”、牛肉、豚肉のグリル、柔らかい仔羊のロースト、野生の鹿肉のソテーまでしっかりカバーします。
味わいはもちろん、生産者の“熱”を感じるワインをどうぞ、シェフが作る夏への活力になるお料理と共に、お試し頂けたら幸いです。
初夏のアルベラータで、皆様のお越しを心よりお待ちしております!